共働きで頑張っていても、将来の年金や老後資金の不安は尽きません。国が示した「老後2,000万円問題」という数字を見て、これで本当に安心できるのか、不安に感じている方も多いでしょう。
こんにちは、かにわさびです。結論から言うと、趣味や旅行、インフレリスクも考慮したゆとりのある老後を送るためには、残念ながら2,000万円では不十分です。私たちは、**5,000万円**という目標を視野に入れるべきだと考えます。
この記事では、具体的な制度と数字に基づき、インフレに負けず、5,000万円をクリアするためのロードマップを徹底解説します。貯蓄、投資、そして保障(保険)の3つの視点から、効率よく未来を守る方法を学びましょう。
STEP1:目標は「インフレに負けない老後資金5,000万円」を設定する
老後資金5,000万円は、全ての夫婦に必須ではありませんが、この目標額には、**将来の物価上昇(インフレ)による生活費の増加**を見越した備えが含まれています。
① ゆとりある老後の不足額シミュレーション(インフレ考慮)
「ゆとりのある豊かな老後」とは、現在の生活費に加えて、趣味や旅行を楽しむための費用も含むものです。公的年金に加えて、月々10万円〜15万円程度の自己資金が必要な場合、老後期間を30年と仮定すると、**3,600万円〜5,400万円**の自己資金が必要になります。
5,000万円を目標に設定することで、**インフレで生活費が上がったとしても**、十分な安心感が得られるでしょう。
② まずは「生活防衛資金」を確保する(最重要)
老後資金5,000万円の計画を始める前に、必ず夫婦の生活費の**3〜6ヶ月分**の「生活防衛資金」を普通預金などに確保してください。これが、万が一の出費で投資を崩す事態を防ぐための土台になります。
STEP2:5,000万円達成の鍵!「新NISA・iDeCo」戦略
目標額5,000万円を貯蓄だけで達成するのは非現実的です。税制優遇が最強の武器となる「新NISA」と「iDeCo」を夫婦で最大限に活用し、資産を**インフレに負けないよう**成長させましょう。
① 夫婦の「新NISA」活用術(最優先)
新NISAは、夫婦それぞれが生涯で1,800万円の非課税投資枠を持てる最強の制度です。まずはこの枠を埋めることを最優先とします。
- 目標達成の試算: もし夫婦で協力し、毎月約13万9千円を20年間、年利5%で運用できれば、合計約5,750万円に達する計算になります(元本3,336万円)。
- 役割分担: 夫婦で毎月積み立てる金額を決め、**低コストのインデックスファンド**を定期購入しましょう。必要になればいつでも引き出し可能という柔軟性も魅力です。
② 「iDeCo」は所得が多い方が優先
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、拠出金全額が所得控除の対象となり、**所得税・住民税が節税**できる制度です。ただし、原則60歳まで引き出せません。
- 節税効果を最大化: 夫婦のうち、**所得税率が高い方(給料が高い方)**が優先的に満額を拠出することで、最大の節税効果を得られます。
- 判断基準: 60歳まで資金ロックされても問題ないか、夫婦で話し合ってから始めましょう。
STEP3:お金を守る!「団信」と「保険」の賢い見直し方
老後資金を準備していても、「もしも」の事態でお金が尽きてしまっては意味がありません。必要な保障だけを確保し、無駄な保険料を投資に回しましょう。
① 最強の保障「団体信用生命保険(団信)」を活用する
住宅ローンを組む際に加入する「団信」は、ローン契約者が死亡した場合に**ローン残高を全額弁済**する保険です。
- 団信加入者は**生命保険を見直す**:団信に加入している側は、ローンの残高分の死亡保障が不要になります。無駄な生命保険は解約し、その分の保険料を投資に回しましょう。
② 共働き夫婦の「保障額」を見極める
共働きの場合、どちらかが亡くなっても遺族年金と残された配偶者の収入があるため、専業主婦家庭ほど高額な死亡保障は不要なケースが多いです。
- **不足分だけをカバー**:残された家族の生活費を計算し、遺族年金と残された側の収入で賄えない不足分だけをカバーする**掛け捨ての定期保険**を検討しましょう。
結論:5,000万円は「夫婦のチームプレイ」で攻略できる
老後資金5,000万円の準備は、**「貯蓄(生活防衛資金)」「資産形成(NISA/iDeCo)」、「保障(団信/保険)」**を組み合わせた夫婦の共同プロジェクトです。
インフレリスクも踏まえた5,000万円という目標に怯える必要はありません。「月々いくら投資すればいいか」という具体的な数字を夫婦で共有し、今日から確実で安心な未来を築くための第一歩を踏み出してください。
アクションプラン:今週末にやるべきこと
- 夫婦それぞれの年金見込み額を「ねんきん定期便」や**ねんきんネット**で確認し、「ゆとりの老後」に必要な目標額を計算し直す。
- **新NISAの口座開設状況**を確認し、目標額達成に向けた夫婦の毎月の積立額を決定する。
- 加入中の生命保険証券をすべて集め、団信との重複がないか、必要保障額が適切かを見直す。